ミスドの鉛筆混入問題

昨日、ミスタードーナツの名古屋市内の店舗で、異物混入が発覚した。

ネットの記事を見ると、何らかの理由で鉛筆がミキサーにかけられバラバラになった状態でドーナツの生地に混入した可能性が高いと報じている。

「ポン・デ・リング」を購入した客2人から「ピンク色の木片が入っていた」などと連絡があったらしい。

これを受けて、そこの経営会社は販売済みのドーナツ217個を自主回収することを決めたという。
しかし、現実問題としてこの217個のドーナツって果たして回収できるものなのか?普通、私たちが購入するドーナツは、そのほとんどがその日のうちにはそれぞれのおなかの中に納まっているのではないか?

どれだけの回収ができたのか、結果も教えていただきたいものだ。

もっとも、私が問題視しているのはこの部分ではない。

今回、ショップを経営する会社の社名も公表されているが、では「ミスタードーナツ」というブランドを掲げて経営しているにもかかわらず、ミスドを運営しているダスキンの責任は全くないのか?ということが気にかかる。

実際、ミスドやダスキンのホームページには、今回の異物混入に対するコメントは一つもない。FC制での経営はそれぞれの会社に任せているということで、素知らぬ顔を決め込んでいるのだろうか?

時間がたてば何らかのコメントがあるのかもしれないが、現時点では「知らぬふり」。せめてショップの苦境に手を差し伸べるくらいはやってほしいものだ。

最近のダスキンの経営方針をみると、今年2月に、2020年度までに『ミスタードーナツ』の約4割に相当する500店でドーナツの店内調理をやめると発表していた。
ただ、ほんの2年前には、売りである「できたて」をアピールするために、調理の様子が見えるように店舗の改装を進めていた。

この短期間での方針の転換をみても、ダスキンの苦悩がうかがえる。
かたやコンビニがドーナツ販売に乗り出しており、ミスドの存在価値は、やはり「手づくり・できたて」にあるのではないかと、個人的には思うのである。

そんな中での今回の事件である。

今回の異物混入を機に「店内調理をやめる」ということではなく、あえて「店内調理をやるために徹底的に環境やシステムを見直して、顧客の信頼回復を目指していく」という決断をされることを心より願っている。

当社では、「経営計画書」という小冊子を毎年作成しているが、その中に「雨降らずして、地固まらず」というフレーズがある。「雨降って地固まる」という言葉とは少しニュアンスを違えている。雨が降ってこそ固まる地もある。

ダスキンさんには、是非この一店舗の苦境を自分自身の事として真剣にとらえ、今後の業績回復、そして躍進につなげて頂きたい。