知床遊覧船の事故に接して

知床遊覧船の事故のニュースが連日報道されています。
先日、乗船された方の中に久留米出身の30歳の方も含まれているとの報道がありましたが、乗客乗員26名の方のご冥福を心からお祈りします。
一方で、運営会社の経営体質が明らかになるたびに、憤りを感じずにはいられません。昨年、ベテラン社員を解雇して、経験の浅い社員だけで運営していたこと。その時に引継や教育訓練が充分になされていなかったこと。以前事故を起こした時にできた船体の傷をろくに修理もしていなかったこと。社長の無知による安全意識の低さ。(無知は罪悪)SOSの連絡が乗客の携帯電話からだったこと。定点連絡を怠っていたこと。など、そのすべてが、重大な事故を引き起こすことに直結する、いわゆる「人災」と呼ばれる内容であることは、火を見るより明らかなことです。中でも、特に私が注目したいのは、社員を解雇して総入替したことです。どんな理由があるにせよ、手に職を持った社員は、会社の貴重な宝です。人の命を預かる仕事といっていい遊覧船の操縦は、多くの知識と長年の現場経験が必要だと推測します。そんな貴重な社員を解雇したということは、その時点でこの会社の行く末は決まっていたようなものです。

 当社も、各部門に、たくさんの貴重な人財がいます。この社員さん達が、現場で一生懸命に働いてくれているからこそ、会社が成り立っているといっても過言ではありません。間違ってもこの知床遊覧船の社長のような恐ろしいことはNGですし、そもそも、一番大事な人の安全をおろそかにしたことは、重大な過失です。この事故をしっかりと頭に刻んで、まず安全確保、そして得意先の信頼と皆さんたちの満足度を高めるよう努力して参ります。