とある運転手さんの熱い覚悟

過日、福岡空港に隣接した駐車場送迎ワゴンの中で、運転手さんと雑談した時のこと。

そのワゴンに乗る前に、別のワゴン車のドアが、開閉ともに自動ドアだったので、「運転手さん、同業者のワゴンが自動ドアだったよ!おたくのワゴンも導入したら?」と、何気に聞いたところ、「お客さん、残念ながらウチは今、売上が9割ダウンしているんですよ。そんな状況で、お金かけるわけにはいかないんですよね。」という返答が返ってきた。

私「そうだよねー。なにも考えないで失礼しました。でも、9割ダウンなんて大変だね。」
運転手「そうなんです。運転手も18人いたんですが、今は6人です。なので、このところずっと休みなしですよ。」
私「人が減ったんで、逆に負荷がかかってきたってわけね。」
運転手「そういうことです。ただ、今は残った精鋭社員で、会社の危機を乗り越えないといけないんですよ。」
私「え!もしかしてあなたは経営者ですか?」
運転手「いえいえ、ただの嘱託社員ですよ。今年で69歳になります。」
私「すごいねえ!そんな前向きに考えてくれる社員なんて、なかなかいないよ!」
運転手「そうですか?この会社大好きなんで、潰れてしまうと困るんですよ。」
 ここまで聞いて、私はこの駐車場運営会社は、コロナが収束した時には、筋肉質な会社に生まれ変わり、大きく飛躍できるんじゃないかと確信した。
たったひとりでも、こういった「プラス思考」の社員さんがいるだけで、未曽有の危機を乗り越えることができる。
運転手さんとのたわいない会話の中で、前向きな気持ちになったと同時に、私自身がやるべきことが見えてきたような気がした。