クランプリフト

当社には「クランプリフト」という特殊なリフトがある。

製品の原料であるクラフト原紙の原反(巻物)を挟むリフトだ。

通常約6,000メートル巻の原反は、優に500kgはある。

そのリフトを、自由自在に操っているのが、原紙倉庫の担当者だ。

あるとき、その担当者にこう聞いてみた。

「キミのこの仕事に対するモチベーションは何ですか?」と

彼は目を輝かせて即答した。

「次工程(印刷工程)が仕事がやりやすいように原紙を準備して、より良い段取りをすることで、次工程のメンバーに頼られるのが、一番うれしく、そしてそれが自分のモチベーションになっています」

彼は、自分の仕事の重要性を十二分に認識している。

先日も、原紙をつかんだツメを、わざわざ180度反転させていたので、

それはどういう意味か?と問うと、

「倉庫にこの原紙を収めるのに、稼働する方のツメの方向を考えて、前もって反転している」と返答が返ってきた。

収める直前に反転するのではなく、事前にそのことを予測して反転させておく。

たったこれだけのことだが、ちょっと先を見越した段取りが、効率UPや余裕を持った安全を生む。

そんなことを考えながら、手前みそながら、私は社員に恵まれているなと、しみじみ思う今日この頃である。