今年は、桜の開花が前倒しになっているということで、先日、比較的近場に位置する「浅井の一本桜」の夜桜見物に出掛けた。
実は、近場という事もあり、今まで一度も訪れたことがなかった。
予想以上の見事な老木。
前日は、3分咲きくらいだったらしいが、訪れた当日は、ほぼ満開に近い勢い(実際は七、八分咲き)で、咲き誇っていた。(ちょうどライトアップ開始当日だった)
老木の素晴らしさもさることながら、小生が感心したのは、地域住民の方たちの、この老木に対する深い愛情だ。
現地に向かうには、複雑な山道を通っていかなければならず、草野線からの入口はもちろん、駐車場へ行きつくまでの要所要所に地元のボランティアの方たちが親切に道案内をしてくれる。
道が狭い為に、行き帰りの道を変えて、一方通行で工夫しているので、割とスムーズに駐車場までたどりつく。
駐車場に入ってからも、整理の方が何人もいて、キビキビと誘導していた。見ていてとても気持ちがいい。よく見ると、20代の若い人たちから80代のお年寄りの方まで、心をひとつにして一緒になって動いているのだ。
この1本の老木のために。
日本人の心意気と言えば大げさかもしれないが、この一本の老木を守っていこうとする彼らの「支える美学」を感じた。
そして、この老木と対面した時に「なるほど」と思った。
村の住民たちの愛情を一身に受けて、誇らしげに咲き誇る山桜。
近づいてみると、何本もの支柱に支えられて、樹齢100有余年の年月を生き抜いてきた雄姿が、圧倒的な迫力で語りかけてくる。
たまたまこの日は、ライトアップに加えて、満月のあかりにも映え、幻想的な雰囲気をかもし出していた。
世界中には多くのパワースポットがあるのだろうが、こんなに身近に、こんなにも素晴らしいパワースポットがあろうとは、恥ずかしながら今頃気が付いた次第である。
来年も必ず見に行こう。