先日、如水庵の森社長の講話を拝聴させて頂いた。
福岡で「筑紫もち」や「最中黒田五二萬石」などを製造販売している会社だ。
私はよく知らなかったのだが、「如水庵」という屋号は、黒田官兵衛(如水)からとったのだという。
森社長が、官兵衛の生きざまに惚れ込んで平成元年に「株式会社如水庵」を設立され、販売部門の社名を「如水庵」とされたそうだ。
講話の中で森社長は、官兵衛の魅力を熱く語っておられた。
その中で、私が感動したのは、「水五訓」という教えである。
知っている方も大勢いるだろうが、ここで紹介させていただく。
【水五訓】
一、自ら活動して他を動かしむるは水なり
二、障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
三、常に己の進路を求めて止まざるは水なり
四、自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり
五、洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霰(あられ)と化し凝(ぎょう)しては玲瓏(れいろう)たる鏡となりたえるも其(その)性を失はざるは水なり
意味は、
一、自ら動いて模範を示すことによって、周囲を牽引しよう。
二、たとえ障害や壁があったとしても、その間に貯える力は増していくから、苦しい時もじっと耐えて努力を続けていこう。
三、流れを止めることなく、信じた道に向かって動き続けていこう。
四、嫌いな人だからといって、その人を追いやったりせずに、良いところを見つけて共に頑張ろう。
五、性質は変わらないが、温度は変わるし、入れ物を変えればカタチも丸や四角に変わるのが水。
与えられた環境の中で、如何に柔軟に変化し成長できるかが大切。
ということだ。
これを聞いたとき、まさに経営者のあるべき姿を見た気がした。
そして、自分自身もこうありたいと思った。
今、NHKの大河ドラマで軍師官兵衛を放送しているが、あらためて官兵衛の偉大さを認識したとともに、「如水-水のごとく-」という素敵な言葉に出会えたことをとてもうれしく思った。