賞味期限のはなし

味の素などの大手食品会社が、一部賞味期限の表示を「年月日」から「年月」に変更するという。(来秋から)

とてもいいことだと思う。

ひとつは、賞味期限が1日過ぎただけで廃棄される「ムダ」をなくし、食品廃棄を少しでも減らせる。

食品メーカーにとっても、廃棄ロスのコストを減らすことができ、消費者も値下などの利点がある。

在庫管理にかかる複雑な作業も軽減でき、流通段階での廃棄も減らせる。

ところで、日本は、世界中で一番(たぶん)、食品に対する品質管理を厳しくしてきた傾向にある。アレルギー表示などは当然そうすべきだろう。

ただ、「賞味期限」という事に関しては、あまりにもメーカーに責任を負わせ過ぎではないかと常々思ってきた。

そんなときのこのニュース。

私には「人間の味覚(五感)を他人任せにするな」という持論がある。

もっと、自分の舌や臭覚を信頼せよ!自信がないなら、もっと鍛えてその感覚を研ぎ澄ませ!

「賞味期限」が厳格な表示になればなるほど、人間の五感は退化しがちになるだろう。特に若い人たちは、自分の五感に頼ることはせず、すぐに賞味期限で判断してしまう。

私が小さい頃くらいまでは、冷蔵庫にあやしい牛乳があっても、それをちょっとなめて大丈夫かどうかを判断したものだ。

そんなようなことで、今回のニュースは、世の中の流れにちょっと待ったをかけたという意味で、とてもいいことだと思う。