社長ブログ

再現の技術

2015-08-11

先日、ぼけっとTVを見ていたら、「カリスマ美容師はここが違う」的なテーマで、プロの美容師が認めるチェック項目に「再現力」という項目が重要視されていた。

番組では、和田アキ子さんを例にとって、彼女の前髪を何十年も切り続けてきた専属美容師が、「年齢とともに髪の質やくせ毛の具合は微妙に変化してくるので、毎回同じ感じを維持するのに苦労している」と言っていた。

何か月も前に散髪した髪形を記憶していて、お客さんから「この前と同じに」と言われた時に、即座に「承知しました」と言って以前と寸分違わぬ出来栄えに髪をまとめる。

そんな神(髪)業的な「再現力」をもった美容師にのみ、「カリスマ」の称号が与えられるのだろう。

たとえば、100%果汁のオレンジジュースを想像していただきたい。オレンジ自体は農産物で、たぶんというか絶対同じものは存在しない。もちろん、収穫される年や熟し具合によって、糖度やうまみなんかも微妙に違ってくるだろう。しかし、加工の過程で同じテイストに調整され、何度も何度も見事に再現される。

私達は、当たり前のように飲んでいるオレンジジュースひとつとっても、その再現の技術は簡単なものではないということが想像できる。

ただ、ワインとなると、また考え方が違ってくるのだろうが。

工業製品なら同じものを同じようにつくり出すことは、今の日本の技術力からすればそう難しいことではないだろう。

しかし、農産物の加工や動植物は、「再現」することがいかに難しいか!

当社の紙袋も、実は厳密に言うと自然の原料を使用している。

紙の原料であるパルプ→チップ→針葉樹→樹木と遡っていくと、製紙会社が製造するクラフト原紙に、あまり高度な再現性を求めても限界があるのだ。

ただ、そんなことは百も承知の上で、少しでも安定して高品質な製品を生み出していくために、私達は日夜努力をしているわけで、それを永続的に実現している会社や人にこそ「カリスマ」の称号が与えられるべきなのだ。

 

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